越後天神さま菓子でお祝い

新潟県では、広く家庭で天神さまをまつる。
歳神さまとして、正月(12月25日~1月24日)に鏡餅や年取り魚・おせちを供える地域と、
春を呼ぶ神さまとして、2月24日(宵宮・宵天神)・25日に、天神菓子をそなえる地域がある。

歳神さまとしてまつるのは、柏崎周辺。今は新暦で祝う。
それ以外の地域では、「春を呼ぶ」という季節感を大切にし、
旧暦時代の1月24日・25日を、月遅れの2月24日・25日に行っている。
そのため、最近は2月25日の菅原道真の命日と混同されるようになってきた。

昔は小正月に飾ったまいだま・餅花を二十日正月か、天神さまの日におろした。
まいだまを飾るのを「田植え」、おろすのを「稲刈」と呼んだ。
天神さまはこうした予祝行事と同時一体で行われていたのだった。

写真は、お菓子の天神さまも入れた、菓子九つ盛。
天神さまは粉菓子(餡入り押しもの)、その他はすべて氷菓子(金花糖)。
加賀藩のように紅白の鏡餅にして、天神さまのあられ、ちらし寿司を供えた。
あられは、柏崎の天神さま巡りの時にいただいた。
鏡餅のおさがりを揚げたのだそうだ。新津でも天神さまあられを売るお店があった。
天神さまの宵宮は、それぞれの家庭でちょっとしたごちそうをつくる。
昔は油揚げくらいを入れたお醤油ご飯が多かったようだ。
後ろは京都五條天神社の「宝舟」図。粟穂が一束載る。
柏崎で聞いた天神さまを正月にまつるお宅での話がおもしろい。
お嫁さんが天神さまに塩辛い魚をあげたところ、
舅に「そんなにしょっぱいのをあげて、天神さまが病気になったらどうするんだ!」とおこられたという。
我が家の天神さまに対する並々ならぬ思いがわかるエピソードだ。


「2018年 越後天神さま街道」と銘打って、新潟県の柏崎・刈羽地区で、天神さまを飾る家々を公開するイベントが毎年開催されています。チラシはこちらでもご覧になれます。

◎追加◎38矢口委子 柏崎市剣野町4-12-1 不定休

過去の展示の様子など一部ですが、こちらの記録からどうぞ

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