主の公現とロスコン・デ・レイエス

「主の公現」の日のミサに参列させていただいた。

写真は公現の日にスペインで食べるパン菓子「ロスコン・デ・レイエス」2種。
この日幼な子が東方の3人の王から贈り物を贈られたことをなぞるように、
スペインでは子どもらがプレゼントをもらう。
ただし、悪い子にはカルボン(石炭)。
石炭といっても、砂糖でできたカルメラ。
真っ黒くしてあるので、遠目には石炭のように見える。

「主の公現(エピファニア)」はクリスマスの12日間のしめくくりでもある。

スペインのロスコンには、必ず乾燥そら豆が入っていた。今も?
その他に、ソプレサと呼ぶ人形などが入ることも多い。
これがフランスへ行くと、フェーヴ(そら豆)と呼ぶ陶製の人形などになる。
その昔は、スペインのようにそら豆がはいっていたはず。

この日は別名「豆の王様」の日と呼ばれ、特別な日だった。
大航海時代スペインの領土でもあったフランドルでは、絵画の題材ともなっている。
こちらのページでは、「豆の王様」の絵の比較もされていて、興楽しい。

絵のようなどんちゃん騒ぎができるのも、この日だからこそ。
普段はつつましい生活の庶民にとって、王様のような贅沢ができる日だった。
とはいえ、1日だけの王。

古代バビロニアでは、祭の王は、祭が終われば殺されたという。
王の死と引き換えに悪いものはご破算となり、新しい年が始まる。
どんちゃん騒ぎの祭で古い王(年)は死に、新しい王(新年)を迎えた。
カトリックでは、新年を幼子イエスの公現で表している。

年の変わり目の儀礼は国や時代でいろいろだが、根底は同じ。
ロスコンは、太陽を表すとも言われる。
太陽が新しく再生する古代的民俗もこのパン菓子は表している。


ところで、今日のミサの時の神父さまの話に、フランスのある女子修道会では、
修道女たちが、主の公現の日にガレットでくじをひき、
当たった修道女が次の1年間、幼子イエスの御像のお世話係になったとか。
修道女にとっては誇らしいことだという。

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