重陽(旧暦)の「被(き)せ綿」

文京区千駄木にある旧安田楠雄邸の重陽(旧暦)の「被(き)せ綿」と
後ろに「菊慈童」のお軸。(2012撮影)
どちらも菊のもつ不老長寿の霊力にあやかるもの。
もともとは中国の文化を取り入れた宮中などの儀礼なので、日本古来のものではなく、
民間ではあまり根付かなかった行事ともいえそう。
茶席においては「被綿」と名付けられた菓子もあるが、生活の中の菓子ではない。

重陽は民間では、菊節供というより栗節供であったようだ。
お供えや行事食なども、栗入り赤飯がもっとも一般的。
菓子も栗菓子の豊富さを見れば、栗節供もうなずける。
日本の行事菓子を考える場合は、栗節供の視点のほうが大切だとも気づく。

ところで、今年は旧暦だと閏9月があるので、
重陽も2回となり、11月1日が2度目の「後の重陽」にあたる。
なんだか不思議。

参考「いとおかし*重陽の菊の被綿」

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